自分自身の店というものを持ってから、早いもので、もう15年の月日が経ちました。
名も知れず、ましてや、土地勘も知り合いもない場所でのスタートに、ただ勢いと自分の菓子に対する情熱だけで、この道に入りました。
もし、今だったら...。
きっとやらないで 違う仕事をしていたり、東京にも居なかったかもしれません。
でも なんとかこんな自分でさえ、続ける事が出来たのも、今まで一緒に働いてくれたスタッフや開店当時から、ずっと足繁く来店して戴いてるお客様のおかげだと常々感じています。
お客様とお互いに、ばか話をしたり、からかい合ったり、たまには個人的なお話で叱咤激励しあったり...。
毎日沢山のいろんな方々が正庵のお菓子を宣伝してくれたり、自分のごほうびだと言って家族の手土産にお買い上げして頂いています。
単なる物の受け渡しなら、または、ただ美味しいから売る...。
東京だけしかない和菓子だから...。
他店とは、違った菓子のスタイルだから...。
みなさん、いろんな理由や用途で正庵を使って頂いて人との和としてお使い頂いています。
して、そこの短い間の会話には心を通じ合う何かの空気感が流れます。
初めは客様には距離を置いて接し、無駄な事は言わない方がいいんじゃあないか。
お菓子を楽しんで買っているんだから、お菓子の話をしっかりすれば...。
でも、それは私のスタイルではないし正庵のスタイルでもありませんでした。
いろんな事に興味津々だからこそ、聞きたいし、話したいし、教えたり教えられたり...。
初めの頃は、何〜!あの店員!変!お客様扱いしていない!
なんて言われた事もしばしば。
でも、私の全てをさらけ出して作り上げた店の雰囲気や正庵のお菓子。
当然、スタッフみんなの声や意見も入っていますから正庵のスタッフ全てが自分の想いを見せているわけなんです。
だから「美味しいねぇ。」って言われると我が子を誉められた親のように、ダラシナイ笑顔になってしまいます。
食べてしまったら、終わってしまう。渡したら何も残らない。
私のワガママですが、どこかに何か心に映る、いろんな感情を残せたらいいなぁ〜って思っています。
だから、それが怒りだったり、喜びだったり、たまには、話を聞いてお互いに泣いたり笑ったり...。
それでこそ、人と人との繋がりだと思います。
自分を隠して本当に毎日が楽しい販売や製造が出来るんだろうか
恐れて、一歩踏み出す事に躊躇したり、ごめんなさい!と素直に謝る心を忘れたり...。
そんな自分を変えてくれる事を克服してこそ、お客様との間にからかい合いが成立してくるんだと思います。
それまでの道のりは長いけど、どうか毎日が笑いになっていく日々でありますように...。
そして、反省と自分を好きになって磨いていく毎日でありますように。